「白い家の少女」考察(ネタバレ)

ジョディ・フォスター主演の「白い家の少女」を購入して鑑賞しました。この作品は僕が高校生の時に、ロードショウではなく、蒲田か大井町の映画館で3本立てで観た映画の一つでしょう。見た当時、ジョディ・フォスターは既に大学生でぷくぷく太っていたと記憶しています。あれからよく痩せましたね。
そんなことで、懐かしさもあって値段も1,000円と手頃なので購入してしまいました。
この「白い家の少女」、どんな映画かというと、アメリカの人里離れた白い家にイギリスから少女リン(ジョディ・フォスター)と父親が引っ越してくるのですが、どうやら姿が見えるのは少女だけで、父親の姿が見えない。
あるハロウィンの夜、手癖の悪い大家の息子フランクが少女の家を訪れるところから物語が始まります。フランクは当然のごとく少女に言い寄ろうとしますが、少女の慎重かつ冷静な大人ぶった対応にあえなく撃沈。次にそのフランクの母親であるハレット婦人が訪ねてきます。婦人は少女が学校に行っていないことを村で問題にしようとします。が床下にジャムの瓶を受け取ろうとふたたび少女の家を訪れた時に、その床下に何かがあって、驚いた婦人は床下のドアに頭をぶつけ死んでしまいます。さぁ、その床下にあったものはなんであったか?死んだ婦人はどうなるのか、果して姿の見えない父親は本当に存在するのか?、ハレット婦人の息子のフランクとはどういう関係になるのか?
パッケージのコピーでは、
ジョディ・フォスター初期主演作!
14歳のジョディが冷血な少女を演じる
サイコ・サスペンス!
とあります。
ジョディ・フォスターの名演が光る作品です。
以上が紹介です。
以下、観た方のためのネタバレ、内容の考察(異論は認める)
はじめにはっきり言いましょう。これ、サスペンス風の少女成長物語です。母親の存在が希薄なのに対して、父親は死んでいるのに仕事中とかニューヨークに行っているとか嘘を付く、つまり父親から教わったことを実行している点からして、リンと父親の絆は強く示されている訳です。これは何を意味しているかというとリンという少女は母性が欠如または未発達な存在だということでしょう。また、それはハムスターを飼っていることでかすかな母性が芽生えているということも言えます。しかし、その絆が強ければ強いほど少女は成長できず、父親に縛られたままになってしまいます。だぶんそのことから父親は湖の中へ入水自殺をして少女が、少女から女へ成長するためを布石を与えたと言ってもいいでしょう。予め3年分の家賃を払ったのは少女から女への転換するのために必要な父親が用意した期間ですね。父親が入水したのは、水の中というのは生命が生まれる場所という暗喩もありますが、ここではリンという少女のアニムス(女性における男性像の象徴)を深く無意識の奥底に沈みこめたのだと思います。
そこで現れてくるのはハロウィンの夜でのフランクという手癖の悪い大人です。でもこれ、実は少女にとって父親の幻影みたいな存在なのです。理由はハロウィン。死者が蘇って訪ねてくるということからです。で、少女の成長にとって父親はもう過去の存在であり、断ち切らなければならないのです。で息子フランクはちょっと置いといて、次に男性が現れるのは手品師のマリオです。手品師ということからわかるようにこれは少女を変化させる存在です。河合隼雄さんがユング心理学でトリックスターと呼んでいるキャラクターです。ここでマリオは、リンという少女を大人の女に変えさせる役割と父親に代わる新しい男性という役割を担っています。まぁセックスすることからこの辺りはお分かりだと思いますが…。
しかし、最後まで付きまとうのは過去の男性である父親です。そうです。父親の幻影であるフランクの存在です。そのフランクを毒殺するところで映画は終わりますが、何度も言いますが、少女期の男性の象徴である父親から精神的に離脱し、新たな夫となる男性の象徴を見つけるこれがこの映画の主題です。
言葉足らずな考察だと思いますが、一度この映画を観た方はその辺りを念頭に入れて改めて観ると新たな発見があるかも知れませんね。
それにしても最後のフランクが死んでいく様子を見つめているジョディ・フォスターの演技はすごいですね。
参考文献:ユング心理学入門 河合隼雄著 培風館
昔話の深層 河合隼雄著 講談社+α文庫
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